【症例紹介】ネコのひも状異物

2018/10/30
ネコ ひも状異物

今日の症例紹介は「ネコのひも状異物」です。

異物というと大きなものだったり、尖ったものが危ないと思われがちですが、「ひも」も危険な場合があります。

「ひも」は直接胃の出口を塞いだりはしませんが、胃腸が「ひも」を押し流そうとして空回りしてしまい、結果として胃腸全体の動きが止まってしまいます。

「ひも」で空回りした小腸は芋虫が縮んでいるように見えます(写真左)

 

ネコのなかには、ビニールをかじるのが好きだったり、ひもでじゃれるのが好きなコがいますよね?

今回の患者さんもそんなネコちゃんの一人です。

ある朝突然、食欲がなくなり、何回も嘔吐するとのことで来院されました。

若齢のネコで嘔吐しているとなると僕ら獣医師はまず異物を食べていないか疑いたくなります。

この飼い主さんは決定的に何かを食べた覚えはないが、日頃からビニールやひもが大好きとおっしゃっていました。

 

異物を疑う場合、まずレントゲン検査や超音波検査を行います。

石や金属などはレントゲンに映るのでわかりやすいですが、ひもなどは映らないので判断が難しい場合があります。

超音波検査では胃や腸の動きがリアルタイムで観察できるので異物による消化管障害を発見でき、このネコちゃんも胃腸全体に不自然な液体貯留が見られたので、異物を疑い、開腹手術を実施しました。

 

お腹を開けてみると胃の出口から大腸まで長いひもが消化管の動きを空回りさせていました。

胃からひもを引っ張ってもスルスル抜けてこなかったので、胃、十二指腸、小腸をそれぞれ切開し、ひもを切断してバラバラに取り出しました。

今回は異物を取り出すだけで解決しましたが、異物を飲んでから時間が経過している場合は、腸が部分的に壊死してしまい、その部分を取り除かなくてはいけなくなってしまいます。

そうすると手術も大がかりとなり、入院期間も長くなってしまいます。

 

ネコはもともと嘔吐しやすい動物で、吐いていても軽視されがちですが、いつもより回数が多かったり、様子がおかしい場合はお早めに来院してください。