【症例紹介】ネコの低悪性度リンパ腫

2018/11/26
ネコ リンパ腫

今回の症例は「ネコの低悪性度リンパ腫」です。

リンパ腫は免疫の役割を担うリンパ球が腫瘍化した病気のことです。

リンパ腫の病態は様々で、体のいろいろな臓器に発生したり、皮膚の表面にいわゆる「イボ」のようにできたりします。

またネコの場合、FeLV(ネコ白血病ウイルス)と関連していることも多く、FeLV陽性ネコでは比較的若齢でもリンパ腫になってしまうこともあります。

FeLVは外ネコが持っている感染症なので、保護ネコの場合は必ずウイルス検査をおすすめしますし、外出するネコの場合はワクチン接種をおすすめします。

しかし、FeLVにかかっていないネコもリンパ腫になる可能性があり、その場合は中高齢のネコが多いです。

今回の患者さんもシニアのネコちゃんでした。

すこし前から嘔吐・下痢が止まらず対症療法に反応しなかったそうです。

超音波検査で小腸の壁が厚くなっていて、腸間膜のリンパ節も大きく腫れていました。

飼い主さんとの話し合いで、試験開腹を実施したところ、小腸が全体的に硬くなり、腸間膜リンパ節も腫大していたので、一部を切除し病理検査に送りました。検査結果は「低悪性度リンパ腫」でした。

悪性腫瘍のなかにもものすごく悪いもの(高悪性度)からそこまで悪くないもの(低悪性度)があり、今回はそこまで悪くないということです。ただ悪性腫瘍に違いはないので、油断はできません。

リンパ腫には比較的抗がん剤に反応しやすいという特徴があるため、当院でもリンパ腫の患者さんには積極的に抗がん剤の使用をすすめます。

低悪性度の場合、薬剤は2日に1回の内服で効果のある「クロラムブシル」を使用することが多いです。

このネコちゃんもクロラムブシルを開始したところ、いままで悩んでいた嘔吐・下痢が止まり、食欲も元に戻ったそうです。

ただ完治することのは難しいので、症状にあわせて治療の強化が必要になります。

 

中高齢の嘔吐・下痢には大きな病気が潜んでいる可能性があります。

様子をみてても改善がない場合は、病院にご相談ください。