【症例紹介】犬の脾臓腫瘤

2019/03/12
犬 脾臓 腫瘤

こんにちは。

今日は久々に当院の症例紹介です。

 

今日の症例は「犬の脾臓腫瘤」です。

脾臓は胃の裏側に位置し、血液を壊したり、免疫系細胞を多く蓄えたりする臓器で、もちろんヒトにも存在します。

今回はこの脾臓に腫瘤(できもの)ができてしまったワンちゃんです。

脾臓腫瘤は比較的発生しやすい疾患ですが、特に症状がなく健康診断でたまたま見つかる場合とあまりに大きくなりすぎていてお腹の中で破裂し、突然の体調不良で見つかる場合の二つのパターンが多いと思います。

破裂するまで症状が出ないのか、と思うかもしれませんが、ほんとに破裂する直前までゴハンをバクバク食べていたという話はよく聞きます。

このワンちゃんの場合は別の症状でお腹に超音波をあてた時にたまたま腫瘤を見つけることができました。

脾臓は全部摘出しても問題のない臓器なので、基本的には見つけ次第、手術を行うのがベストかと思いますが、やはりお腹を開ける手術であること、見つかるコが高齢であることなどで手術に踏み切れない飼い主さんも多いです。

その場合はリスクを説明したうえで、経過観察をすることもあります。そうして数回の定期チェックのなかで、大きくなったり、体調の変化がある場合は再度手術を勧めます。

 

この症例では脾臓の真ん中らへん(写真の赤い丸)に腫瘤が確認できたため、これを病理検査に出します。そうすると悪性(いわゆるガン)なのか良性なのかを病理の獣医師が判断してくれます。

今回は「結節性過形成」という非腫瘍性病変だったので、手術をして体調が戻ったら治療終了です。

このコの場合、手術直後からゴハンをバクバク食べてくれたので、こちらも安心しました。

 

ただ脾臓には血管肉腫などの悪性腫瘍も発生し、悪性だった場合は、脾臓を摘出しただけでは治療効果は不十分とされていますので、抗がん剤などの追加治療を提案します。

 

脾臓の腫瘍に関しては、破裂する前の早期発見がとても大切です。ただ最後まで症状を出しにくい病気であるため、定期的な健康診断で全身状態を把握しておくことが重要だと思います。